こどものヘルニア2

昨日の手術も無事に終わりました。当院では初の日帰り手術でしたが、患者さんも何事もなくおうちに帰れました。よかった、よかった。
ところでヘルニアの手術は何歳になったらいいのでしょう。昨日のこどもは昔からあったのにまだまだと親の都合(心配?)で昨日まで躊躇していたらしいです。小児外科の中でも発見次第すぐにという人、まぁ3ヶ月すぎたらという人、1歳ぐらいまで様子を見てもと現場ではいろいろ加減しているようです。僕自身は技術的には、3ヶ月すぎたら手術を考えてもいいかなぁと思いますが、親御さんの心配を考えるときちんと外来でみられればもう少し後でもいいかとも思います。今の施設の全体のレベルを考えると1歳前後でいいのかなぁと思います。

明日は友人のこどもの鼠径ヘルニアの手術をすることになりました。いわゆる”ダッチョ(ウ)"です。

そこでこどもの鼠径ヘルニアについて今日は書きます。
小児外科の手術では最も多いのがこの手の手術です。20人に一人、50人に一人とも言われています。小児外科でメジャーと言われている食道閉鎖症や胆道閉鎖症などが5000〜10000人に一人ですからメチャクチャ多い疾患です。1年間に凄い数を(といっても出生数に影響されますが)することになります。もういなくなっただろうと思っても毎年同じくらいの数を手術します。たまになんで手術しなくちゃいけないんだろうとも思いますが、嵌頓(腸が脱出したまま戻らないで壊死してしまう状態)の手術の大変さ、術後の患児の具合の悪さを思い出すと早くやらなくちゃと思います。数がメチャクチャ多い疾患ですから小児外科医はヘルニアの手術はメチャクチャ上手です。ヘルニアと診断されたら早いうちに小児外科医に手術してもらいましょう。

経鼻内視鏡最終報告

 本日をもちまして経鼻内視鏡引き上げとなりました。1週間デモでお借りして10人の方が検査を受けました。被験者の方に経鼻内視鏡と経口内視鏡ではどちらの方が楽でしたかと質問したところ、10人が10人とも”経鼻”と答えられました。圧倒的です。患者さんは絶対こっちを希望されるでしょう。
 施行者の感想からすると経鼻挿入に最初は違和感がありましたが、数例すればすぐ慣れます。挿入のすべてを直視下に反射に邪魔されずに行えるのはベリーグッドです。若い人の喉頭が綺麗に観察できるのも感動ものです。光量不足は、否めないですが細径ファイバーを普段使っている人にはあまり気になりません。吸引能力もほぼ十分でしょう。
 検診やドックの内視鏡検査が経鼻にかわるかもしれません。